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食の安全と放射能測定所フォーラム

ローノイズFETの再検証(速報)
日付
2016年03月12日(土) 21時28分
ネットで調べると、超超ローノイズ品(しかしクソ高い)もあるんですが、スペックみると、入力容量が巨大すぎで、すくなくとも微小光検出回路には使えませんね。内部的に相当数のFETをパラレル接続している感じのつくりなんだと推定しますが、やりすぎると、雑音は下がりますが、端子間容量が増えていきます。
単品で、入力容量が10pF前後のもの、それで、ローノイズ品、となると、BF862, 2SK715(2SK932), 2SK3557(試験未投入)といった、AMラジオ向けの石が見つかります。今回、2SK3557も入手できたので、まず、この子たちをスクリーニングしてみました。あと、比較用に、オーディオ用ローノイズFETの代表的な石、2SK369も。こちらは、入力容量が70pF前後あるので、石のノイズが低くても、回路全体のSN比を稼ぎにくいので、参考出品。

まだ、絶対値が測れるまで治具の精度がよくないのですが、傾向は見えてきた感じ。

広域ノイズ特性はK369 < BF862 < K715 < K3557、差はありますが、微差です。しかし、オーディオ帯域処理をする場合、特に今の仕組みの場合、1KHzあたりのSN比がかなり重要になりますが、そいつで比較すると、K369 << BF862 < K3557 << K715。
低域になるとノイズが増えてくるポイントがあるのですが、2SK715は2KHzあたりにこのコーナーが来てしまっています。他の品種は200Hzあたりにある(そのコーナーより下はノイズが激増)・・・そのため、1KHzあたりのノイズだけをみると、K715は良くないですね。

ということは、今の回路構成でいくと、採用すべき石はBF862かK3557の二択になりそうです。

なお、ネット情報だとBF862は、先のコーナーが2KHzあたりにあるロットもあるらしいんですが、スクリーニングした子は数百Hzにありました。

FETのコーナー周波数の疑念は、スペックシートを眺めていて少し気になって、で、実際、治具をつくるきっかけになったのですが、ここまであからさまとは想定外でした。


普通にローノイズアンプ作るときも、スペックシートは隅々までみとくべきですね。

ただ、スペックシートもかなりいい加減なものもあるみたいで(まあ、より悪く書かれる分には実害はないですが)・・・K117は測って見るとスペックよりかなり低域までローノイズだったりするみたいです。

なお、これらの情報は作りかけ治具、ごく少数のサンプルでのお試し結果ですので、全てのデバイスがこの通りであることは一切保証いたしません。実際にお試ししてくださいませ。
蛍 袋夫
周波数SN比だけみると、低域・・・数百Hz以下、では、ディスクリートのJFET苦戦の感じですね。オーディオアンプでどうしても入力インピーダンスを高くとらなければいけないケースもありそうですが、そうなるとちょっと困った感じかもしれませんね。耳の感度的には数百Hz以下はそれほど敏感じゃなかったと思うので救われているところはあるかもしれないけれど。K369でも10Hz(可聴帯域外ですが)だと、数10nV/rtHzくらいありそうで、ディスクリート部品苦戦。超低域だと、オペアンプでOPA821、OPA1642といったあたりが、JFET入力で10Hzで10nV/rtHzを切っているみたいだけど、これはすごい。1KHzくらいになるとディスクリの方が楽勝でノイズは低いですが・・・
蛍 袋夫
2016年03月12日(土) 21時37分
なかなか治具がいうことをきいてくれない。本題のチャージアンプより敷居がたかいような・・・
暫定2号で測って見ても傾向は変わらない。
PD向けチャージアンプの初段向けは、1KHzあたり以上のノイズ特性と入力容量を考慮すると、事実上BF862の一択か。1~2割ノイズが増えるけれど2SK3557が第二候補。
入力容量無視なら、僅差で2SK369の方がノイズは小さい(が入力容量が5倍以上ある)・・・おまけに廃品種ときた。
BF862は一応、現行品みたいだし。
ただし、表面実装部品でかなりちいさい。ほぼ米粒大。いや、もう少し小さいか。
しかし、治具、もうちょっと安定してくれないとなあ・・・

それと、治具の電源は、相当クリーンじゃないとだめだ。最初ディスクリで組んでいて、だいたい良い感じだったんだけど、これをローノイズ電源ICに変えると、ローノイズFETの計測できなくなるな。もう一桁くらい電源ノイズを下げないとだめぽ。電源ノイズはサブμVレベルに抑えないときびしそう。(ローノイズ電源ICだと1uVあたりで仕上がっているはず。ディスクリだともうちょいよさそう・・・だけどまだヘッドアンプがないので他の方の作例と回路シミュレーションからの暫定数値)

両電源で作り始めたんだけど、5V片電源でもまあいけそうな目処はたった(治具の場合はそれでいいけど、ローノイズヘッドアンプにするなら、両電源じゃないときついかもしれない・・・入力の都合なんだけどね)。

しかし組み直す気力が尽きたので、もうしばらくは暫定版治具でしらべてみましょうか。
蛍 袋夫
2016年03月20日(日) 17時54分
スペックシートに入力換算雑音電圧がのっているのは、概ねスペック程度(1~2割の誤差はご愛嬌)らしいことが判明。相変わらず、けちって各種1サンプル、@2mA@1KHz 計測だけど。
2SK369が実測0.8nV/√Hz
2SK170が同0.85nV/√Hz
BF862が同0.95nV/√Hz (スペックシートにはIdss≒10~20mAで0.8としか書いていない。小電流だとノイズは増加するので、2mAでこれくらいなら概ね妥当かと、K369/170は電流との関数で出ているので目読みできる。K369は10mA流せば0.7まで落ちることになっていることからもBF862の値は妥当な線かと)
あとはスペック公開ない石だと
2SK363 - 0.8 (K369の無選別品とも思われ)
2SK715 - 1.5+ (高域にいけば0.8くらいに落ちるが...)
2SK3557 - 1.05
2SK117 - 1.15
といった感じ。概ね、Yfsの平方根と雑音が反比例の法則にあうけれど、品種によって1/fコーナが高いと狙った帯域の雑音が高くなっているものもある(K715など)、ということで新事実の発見はとくになし(1/fコーナは測って見ないとわからんのも多かった)
蛍 袋夫
2016年03月21日(月) 22時21分
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