|
お漬け物2号の性能が低すぎで、原因究明のためバラしてみました。得られる光量が期待値の1/3くらいしかありません。回収したセンサをテスト基板に搭載してみても、性能の低さは変わりません。従って問題は、センサ・結晶結合回りにあることがまずわかりました。
結論をいうと、この失敗はシンチ結晶サイドの反射材が浮いてしまっていたことが原因のようです。
今まで結晶とセンサ(フォトダイオード=PD)の結合にばかり気を取られ、反射材のまき付け工程で、(センサと結晶にトラクションがかかることを期待して)結晶の長手方向から巻き始めていたこと、そのあと、短い面にも巻き足したのですが、どうもここでも圧着が甘かったようです。結果として、サイド部分の反射材が浮いてしまい、反射機能激減だったようです。
また、標準テスト用のセンサ個体も、ベストのセンサに比べて若干性能が落ちていました。最初は結晶サイズの差と、結晶のくたびれ方、結晶面の荒れ方の違いだろうと思っていたのですが、念のため、反射材だけまき直したところ、かなり性能向上しました。
というわけで、受光面の貼り付けとともに、反射材の密着は性能に非常に大きく影響します。
テフロンテープを使う場合は、密着状態を確認しながら慎重に巻くことが と て も 大切です。
ここは、可能であればチタン白(二酸化チタン)塗料を直接塗る、あるいは、光学グリスに浸した状態でテープを巻く、などの案が考えられます(いずれもいまてもとに材料がないので実証できていませんが)。
シンチレーション光の検出は、直接光をセンサで受けるというよりも、乱反射させて壁面全体の明かりを見る、間接照明のイメージ、になっているように思います。そのため、反射材の実装方法も大きく性能にはねかえります。
もちろん、この光を効果的にとりこむためには、結晶とセンサの光結合も良好でなければなりません。
接着良好、反射良好、この二つが揃って初めて、高性能の検出器になるわけですね。
接着部分も反射材も、なるべく空気(泡)をはさまないようにすることが、コツなようです。シンチ結晶の屈折率は大抵、非常に大きい(高屈折率のメガネレンズくらいあります)ため、途中に空気層があるとこの境界面で、全反射してしまい、結晶内に光が戻ってしまう率が高くなり、上手に光を外に導けません。シンチ結晶はそれほど透明度が高くありませんから、結晶内で光が反射しつづけると最終的にはロスになります。
効果的に結晶の外に光を取り出すために密着、が非常に重要になってくるのでしょう。
ですから、隙間を作らないような塗装はベスト、また、空気よりかなり屈折率が高い物質で間隙を埋める(光学グリス充填など)もかなり効果的と予想できます。
また、結晶面が荒れていなければテープも容易に密着してくれますので、綺麗な面であれば恐らくテープでもかなり良好な結果になるでしょう。 |
|
|
|
|