パニック発作
パニック障害患者は、日常生活にストレスを溜め込みやすい環境で暮らしていることが多く、発作は、満員電車などの人が混雑している閉鎖的な狭い空間、車道や広場などを歩行中に突然、強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状と空間認知による強烈な不安感に襲われる。
症状や度合は、患者によって様々だが軽度と重度症状がある。
しかし軽・重度患者ともに発作が表れる時に感じる心理的印象としては、同じような傾向が見られ、漠然とした不安と空間の圧迫感や動悸、呼吸困難等でパニックに陥り、「倒れて死ぬのではないか?」などの恐怖感を覚える人が少なくない。
先に挙げた自律神経症状以外にも手足のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫のような息苦しさなどがあるが、それ自体が生命身体に危険を及ぼすものではない。
予期不安
患者は、パニック発作に強烈な恐怖を感じる。
このため、発作が発生した場面を恐れ、また発作が起きるのではないかと、不安を募らせていく。これを「予期不安」という。
そして、患者は神経質となりパニック発作が繰り返し生じるようになっていく。
広場恐怖
パニック発作の反復とともに、患者は発作が起きた場合にその場から逃れられないと妄想するようになる。
さらに不安が強まると、患者は家にこもりがちになったり、一人で外出できなくなることもある。
広場恐怖の進展とともに、患者の生活の障害は強まり、社会的役割を果たせなくなっていく。
そして、この社会的機能障害やそれに伴う周囲との葛藤が、患者のストレスとなり、症状の慢性化を推進する。
二次的うつ
予期不安や広場恐怖により社会的に隔絶された状態が続くと、そのストレスや自信喪失などによってうつ状態となることもある。
元来うつの症状が見られなかった患者でも、繰り返し起こるパニック発作によって不安が慢性化していくことでうつ状態を併発し、実際にうつ病と診断されるケースも多く報告されている。