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SNS「奇跡はポケットの中に入っている -Lite版-」

人との距離感を見つめなおしてみよう~癒着の心理学2~
日付
2012年05月19日(土) 00時11分
もしあなたの対人関係が
思うようにいかないとすれば、
何か心の距離感に問題があるのかも・・・。

今回は「親子関係」と「癒着」をテーマに
人間関係を読み解きます!

人の心にはパーソナルスペースというものがあって、
そのスペース内に人が入ってくると
圧迫感や恐怖心を抱いたり、
それが好きな人だったら
ドキドキ感やロマンスが高まったりします。

でも、
その感覚は物理的なものだけではなく、
心理的な距離感にも言えるのです。

皆さんが自分が思っているよりも
対人関係がうまく行かなかったり、
ある特定の人との距離感が分からなくなったり、
恋愛がうまく行かなかったり、
結婚後にギクシャクしたり、
そういう人との問題が出てくるとき、
この心理的な距離感に着目してみると
納得できるところが多いと思います。


●親との距離感は?

物理的な距離感よりも、
心理的な距離感の方が親との影響を
受けやすいように思います。


どちらも同じように感じられますが、

物理的な距離というのは

「満員電車で人がすぐ近くにいると
 圧迫感を感じる」
とか

「後ろから人が歩いてくる気配を感じると
 つい意識してしまう」
とかいうもので、

心理的な距離感とは

「すぐ隣に彼がいるのに、なぜか遠く感じる」
とか

「嫌いな上司とは同じ空間にいるだけでも
 嫌悪感がする」
とか、

そういう感じの目に見えないものを指します。
和多志達は人との距離感の基本は
親との関係性から学びますから、
あなたが思うように人間関係が
構築できないときには親との距離感を
思い返してみると納得できる点が多いと思います。

特にお父さんが仕事人間だったりして
家を省みない人間ならば
お母さんは寂しさや不安、
子どもを守らなければいけない母性から
子どもを非常に近い距離に置こうとしたりします。


それが「癒着」という関係で、
大人になってからも大きな影響を残すようになります。


●癒着とは?

もしあなたが親とすごく近い距離にあって
癒着関係にあると、
それが自分にとっての心理的な距離の基準
(モノサシ)になります。


癒着というのは相手と自分との境界が
分からなくなることで
「お母さんが過干渉で、
 いつもお母さんの顔色を伺ってる」
「好きな人ができるとお父さんが
 気に入るかどうかを考えてしまう」などの
パターンに現れます。


だから、
普段とても寂しがり屋だし、
一人で暮らしていく自信はないし、

また、
結婚して家を出ることも現実的に
考えられなかったりします。

そして、
その近すぎる距離があなたの
“普通の距離感”になってしまいます。


これは親との関係で生まれてきたものなので、
あなたが違和感なく日本語を使うように、
当たり前の距離感になるんですね。


そうすると、
つい人に対して近付きすぎることが多くなります。


最初はいいけれど「重たい」「うざい」と言われて
距離を置かれるようになってしまうんですね。


でも、
自分としては普通にしてるので、
それがナゼなのかが分からなくなります。

感覚的にはこんな感じです。

***
あなたのお母さんは一日10回も
「何してたの?」「どこにいるの?」と
あなたに干渉してくるタイプだったとします。


あなたはそれがとてもうっとおしくて、
もういい加減にしてよ!と
ずっと腹を立てています。


そして、
自分は他人に絶対そんなことはしないようにしようと
思うんですね。

そんなあなたに好きな人ができて
お付き合いが始まりました。


お母さんとの経験から、
できるだけあなたは彼を放っておこうと思います。


だから、
あなたは一日に3回しか
「何してるの?」とは彼に聞きません。

でも、彼はある日突然
「お前はうっとおしいんだよ、
 もう連絡してくんな」と
拒絶されるようになります。


でも、
あなたはどうしてなのか分からないわけです・・・。


お母さんと同じことをしてしまったんだ、
と気付いても。
***


そんな風に当たり前に和多志達の人間関係に
忍び寄ってくるのが親との関係性なわけです。


自分では親を反面教師にしているつもりでも、
実際は同じようなことをしてしまっている場合が
少なくないんですね。


●反面教師~“ああはなりたくない”になってしまう心理~

癒着している状態はこれ以上
近づけない状態ですから、
必然的に意識は離れる方向に向かいます。

(癒着関係には「離れたいんだけど、離れられない」
 という葛藤が必ず生まれます。
 「一人暮らししたいんだけど勇気がない」
 というように。)


だから、
癒着している親を反面教師にしようとすることが
多いんですね。

ある男性から
「自分の父親が浮気性だったので
 自分は絶対浮気はしない!と固く誓っていたのに、
 結婚してしばらくすると家が居心地悪くなって
 クラブ活動をするようになってしまった」という
ご相談を頂いたこともあります。

どうも彼はお父さんと
心理的に非常に近い距離にあったようです。

(彼はそれを聞いてもなかなか
 認められませんでしたが・・・)


だから、
離れる方向に
(お父さんを否定して、自分は絶対浮気をしないように)
意識を向けたわけです。


でも、実際には
“目は違う方向を向いていても体は
 くっついている状態”ですから、
結局同じようなことをしてしまったみたいです。

だから、
その時僕は敢えて
「お父さんの気持ち、今ならよく分かるでしょう?」と
話を進めていきました。

「母が苦しんでいるのを見てたはずなのに、
 今は嫁を苦しませてしまってる」

その罪悪感が彼の最初に気付きで、
カウンセリングを受けるきっかけになりました。

でも、
そこでお父さんとの関係を見つめ直すことで、
その“クラブ活動”という経験は、
お父さんへのわだかまりを手放し、
お父さんを許し、
もう一度心理的な距離を縮める
チャンスとなるんです。


「お父さんも本当は家族を大事にしたかったんだ。
 でも、できなかったんだ」
と気付いたとき、
彼はお父さんだけでなく、
自分自身を許すことができたんです。

そして、
その上で改めて
「ほんとうは家族を大切にしたい」という
選択をし直すことで、
よりスムーズに家族との関係を
再構築していくことができました。

反面教師にした相手と同じことを
してしまうと非常に自己嫌悪が強まります。


でも、
その裏側には自分では認識できない目的
(=お父さんを理解したい)があり、
それに気付き、受け入れ、許すことが
求められているのです。


●関係性を変えるために・・・

先ほどの癒着の例でも同じことが言えます。

“あなた”は心配や不安から
きっと彼に3回も「何してるの?」って
聞いてしまったんでしょう。


ということは、
あなたのお母さんもそれくらい、
あるいはそれ以上に不安になり、
心配があったのかもしれません。


そうするとあなたが愛されている自信がないように、
お母さんも愛されてる自信が
なかったのではないでしょうか。

だから、
あなたがこのパターンを手放すためには、
あなたが彼から欲しかった安心感を
お母さんに与えてあげることで
叶えることができそうです。


その不安や怖れから解放してあげるために、
あなたが娘としてお母さんを安心させ、
愛してあげる事が大切なんですね。


そうして信頼関係が築けていけば、
きっとお母さんは安心してあなたを
手放してくれるはず。


そして、
あなたも彼や友達に対して過剰に
不安を抱かなくても済むようになるんです。

でも、
このチャレンジには大きな
心理的抵抗を感じるはずです。


「絶対嫌だ・・・」という感じに。


だから、
まずはあなたがお母さんを
愛しやすくする環境を作ることも大切です。

それは親からの経済的な自立であり、
生活面での自立も一役買ってくれます。


仕事や一人暮らし、同棲など、
物理的な距離を空けることで、
心理的にも適切な距離をとりやすくなる場合も
少なくありません。


少し頑張って何かに取り組んでみたり、
セラピーなどで手放していく
サポートを受けたりするなど、
気長に取り組む必要はありますが、
その結果あなたは親密感や絆、安心感など、
ずっと欲しかった感情を
受け取ることができるのではないでしょうか。

もし、
あなたが誰かとの癒着関係に気付き、
それを手放すことを望むのならば、
ちょっと次のポイントを考えてみてください。


そこが出発点になることも少なくないと思います。

Q.その相手(例えば、お母さん)は
  どうしてそんなにも不安を抱えていたのでしょうか?
  何を怖れていたのでしょうか?

Q.その相手があなたに愛されている自信が
  全然もてないとしたらなぜでしょう?

Q.あなたが反面教師にしてまで、
  その相手の分かってあげたかった気持ち、
  理解してあげたかった感情とは
  何だったのでしょうか?

そして、
あなたがその相手から欲しかったもの
(安心感や繋がり、自由)などの気持ちを、
逆にあなたからその相手に与えるイメージを
してみましょう。


強い抵抗を乗り越えて、
相手と繋がりを感じられたとき、
きっとあなたの心は解放され、
新しい関係性を築いていけることと思います。
藏本 天外 (285)