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食の安全と放射能測定所フォーラム

気分転換
日付
2013年06月17日(月) 22時12分
電池コントローラではまりまくっているので、少し気分転換に、検出回路を5V単電源で動かせないか、検討してみることにしました。

これがうまくいくと何が良いかというと・・・USB(やケータイ充電用のUSBバッテリー)から、昇圧なしで動かせる・・・かなり回路構成がスリム化できるのですね。
スイッチング電源も計測器内から排除できるので大口ノイズ発生源が減ることになります。

問題点は、電源電圧が5V以下に制限されること。
計測信号自体はアンプ出力時でもたかだか2Vppくらい(マイク入力ならミリボルトオーダ)なので、出力信号のダイナミックレンジ的には問題にならないはずなのですが・・・

周辺回路に十分電圧がかけられない、オペアンプを使う場合、レールtoレールでないと全然ダイナミックレンジが確保できない(そもそも5V以下で動作保証するオペアンプはCMOS系以外ではそれほど多くない)、低電圧帯のオペアンプは諸特性(ノイズ、応答速度)がそれほどよくない・・・といった問題があります。

しかし、スペクトル分析を主眼とするのでなく、高速で線量を確定でき、さらにある程度スペクトルがわかれば尚良い、という用途もあると思います。らじだすの据え置き計測、あるいは、ガイガーなどの代わりに空間線量計測・・・そのような用途であれば、多少のノイズ性能の低下よりも、回路が簡単になるメリットの方が大きいように思います。

問題は・・5V単電源できっちり動くのか。ネット上では昇圧回路を嫌い、5V、6V単電源で動かされている例もあるようですので、大丈夫そうではありますが・・・

ということで、回路設計してみました。どこかで試作してみたいと思います。ノイズフロアが150KeVくらい以下に追い込めれば、この構成ならよしとしたいと思います。

オペアンプに10nV/rtHZ級のCMOSオペアンプを使う予定なので、1nV/rtHz級のノイズのFETで組む予定のブートストラップ回路で実質10倍くらいの電圧ゲインが得られれば、オペアンプの電圧ノイズはほぼ無視できそうですが、計算通りに行くかどうか。

あと、ブートストラップ回路、信号をゲート側(入力側)から取り出すのに増幅も(直感的に)変だと思っていたのですが、回路をよく見ると、実はソース接地回路、負荷抵抗がソース側に入っている、そして、出力電圧が入力側に上乗せされる・・という仕掛けなので、電圧ゲイン的には普通のFET増幅回路(ソース接地でドレイン側から信号を取る)のと等価なようですね。入力側で増幅?という違和感はあるものの・・

また、チャージアンプの場合は、「電圧」でなくて(ここではフォトダイオードの生み出す)電流を電圧に変換するため、電圧増幅しても(電流増幅でないところがミソ)チャージアンプの出力決定には影響なし。電圧変動が大きくなるので、オペアンプ側の入力換算雑音電圧の影響をその分軽減・・・という動きになると理解しています(が正しいのだろうか?)


5V単電源で目的性能をクリアできれば、スーパーらじだす基本バージョンのベース回路にしましょう。



乗り鉄計測用は3.3V駆動もありえるのでどのみちDC-DCコンバータは必須。だもんで、+-5Vの両電源のままでいこうかと思います。5V単電源版が超優秀なら、あえて両電源にする必要はないのですが実力の程が今のところ不明です。
5V両電源(実質10V使える)だと、FETの動作は良好なのは確認済。
蛍 袋夫
チャージアンプの場合は「電荷」を電圧に変換ですな。Cに電荷が溜まるので、FETで(電流は流さないで)電圧に変換です。チャージは並列の負荷抵抗で放電。「出力決定に影響無し」は、正しいと思います
mbb0025
2013年06月19日(水) 04時51分
仰せの通り、チャージは正しくは電荷、でしたね。
PDの場合、電流モードで測定するので、ついつい電流と言ってしまっていますが。電流×時間→電荷なのであながち間違いではないにしても正しくありませんねえ。訂正ありがとうございます。

さて、オペアンプを使った場合、フィードバックループの中にFETを組み込むと、挙動は不明です。それなりに動いたり、全然安定しなかったり・シミュレーションにかけても回路によっては発散してしまったり(計算しない)・・。
特に、FET段でドレイン側からの出力(逆相)をオペアンプの正相入力に入れるパターンが苦手のようです。作例はかなり見受けますので、安定しないということはないとは思うのですが・・シミュレータに喰わせる回路定数が拙いのかなあ・・・

ブートストラップの場合はシミュはだいたいうまく動きます。今回の構成はこちらです。FETが電圧増幅に寄与するものの、実質、チャージアンプのフィードバックループから外れている雰囲気なので、比較的シミュレーションが安定するのかもしれませんね。

しかし、オペアンプの前段に置くディスクリートのFET、いよいよ品薄が現実味を帯びてきています。国産の非チップ部品は全てディスコンじゃないかしら?在庫も大分減ってきている感じです。

PD計測の場合は、海外のチップ部品になりますがBF862が使えそうなのは救いです。入力容量と増幅率を考慮すると非常に優秀。値段も高くはない(海外通販では普通に手に入れられるものの問題は入手性か)。

多くの作例で登場する2SK192A、2SK170といったところは、近い将来リーズナブルな値段では入手できなくなるのではないでしょうか。生産中止が発表されて大分経ちますが、価格上昇、在庫切れをよくみかけるようになってきてしまいました。
蛍 袋夫
2013年06月19日(水) 12時10分
手持ちの5Vで動くオペアンプでためしてみたところ、
AD8656 - OK、AD8616 - OK、OPA1642 - NG、でした。
確認してみると、OPA1642は入力幅が(5V駆動の場合) -0.1~1.5Vということで、今、中点を2.7V位に設定しているため、レンジオーバーしているようです。諸特性優秀なだけに残念。余裕があれば後で中点電圧を下げて試してみますが、あまり下げると今度はFETのバイアスをドライブしきれなくなる恐れも。

というわけで今のところ2択ですが、AD8616の勝ちです。
電圧ノイズ的にはAD8656の方が僅かに優秀なのですが、実際に回路に組み入れてみるとAD8616の方がノイズレベルが低いです。
これも調べてみると16の方は電流ノイズ明記(0.1pA/rtHz)、56の方は非公開・・恐らく16より悪いと推定していますが・・・こちらが影響しているのではないかしらと。

また、ブートストラップのFETも2SK170/117/369/192A、あとBF862を試してみました。
この中で電圧ノイズ最小を誇る2SK369が脱落・・というか2SK117向けに組んだ回路なので、相当IDSSランクが高いものしか手持ちになかったことからフィットしなかった可能性。
あとはそれ程大きな差はないのですが、BF862が本日の勝者でした。入力容量の小ささとノイズの低さの合わせ技の勝利。入力容量だけなら2SK192Aが圧勝、電圧ノイズの低さなら2SK170が有利なのですが双方バランス良くまとめているBF862が優勝です・・が他もそれほど大きな差違はありませんでした。10~15%位の違いです。個体差も本当なら考慮しないといけないのですが。

ということで、AD8616+BF862コンビで、γ線スペクトルのノイズフロアがちょうど150KeV付近・・・

部品差し替え用に、微小信号ルート上コネクタだらけになっていることを考えるとまあまあの成績でしょう。
蛍 袋夫
2013年06月20日(木) 22時25分
なお、信号パルス幅は、設計(シミュレーション)に比べてかなり狭くなってしまっています。ここはもう少し手を入れる余地があると思います。ノイズレベルの低下にはあまり役に立たなくても、分解能の向上(PC読み取り時のブレ減少期待)が望めます。

こちらも後日、試してみましょう。

結論からすると、100KeVアンダーを見れるかどうかは不明ですが、200KeV以上をざっくり見る、それなりに計数率が高いカウンタ・・としてならば、5V単電源でもダイジョーブな目処は付きました。

ちなみに、テストはACアダプタ接続のPC(MacBook)からUSBで給電。それなりの電源ノイズ対策はしていますが、この程度でも今のところ怪しい挙動は見えません。一度電池駆動させてみて、電源部も評価してみたいところですね。
蛍 袋夫
2013年06月20日(木) 22時32分
初段にfetアンプ追加でノイズフロア100keVを割り込んだ・・みたい。そっか、ローノイズ化すればそれなりにピークもシャープになるんでしたね・・この利点があるのをすっかり忘れていた・・・

かなり無理な動作ポイント設定で動かしているので(ドレイン-ソース電圧が0.8Vくらいしかない・・こりゃひどい)、もう少しFETに楽をさせてあげるように定数を見直してみたら、どうなるかしらん?

AD8616、超ローノイズではないし、オーディオ用でもない、CMOSにしてはローノイズの汎用オペアンプでここまでできるというのは、嬉しい予想外。
中点(いま、1.4Vになっているので全然中点でない)をつくるのも超お手軽方式採用。

中点電圧を2.5V前後に戻して、安定して動きそうなめどが立てば、スーパーらじだすのベース回路に採用だな。DC-DCコンバータなしでよいというのはやはり魅力。ノイズ問題もそうだけれど、実装面積が小さくできるメリットも実はかなり大きいのです。


あと、FET,チップ部品じゃなくて普通の3本足でもなんとかならないかなあ・・・試作が大変なのよ・・・チップだと。基板起こせばチップでもまあいいんですが、ユニバーサルだと大変。部品はどっかにいくわ、配線は面倒だわ・・・
蛍 袋夫
2013年06月22日(土) 17時05分
オペアンプ、OPA1642はダメでしたが、OPA1662は使えました。
OPA16xxシリーズ、多くはレールtoレール出力できるのですが、入力可能範囲は狭いので、5V単電源では使いにくいのですね。
スペックシートによれば、5V単電源の場合、OPA1642の入力レンジが-0.1V~1.5V(電源以下OKというのもすごいですが)・・・で、OPA1662もダメなんだろうなと思っていたのですが、仕様書は見てみるもので、こちらは0.5~4V入力OK。


今の回路の中点が1.4Vになっているのは、もしやこれならOPA1642も使える?と思ってのことですが、これは失敗(ぎりぎりすぎかも)。ところが、仕様をみて手持ちのOPA1662に差し替えたら・・すんなり動きますねえ・・・

今はFETアンプをかませているので、オペアンプはバイポーラタイプでもダイジョーブ・・だったのですね。

ノイズ的にはOPA1662の方がAD8616の1/3くらい・・と相当優秀なのですが、この回路に入れてしまうと、ほとんど差はありませんでした。初段のFETアンプのゲインが効いているものと思われます。
気持ち、OPA1662の方が切れがよさそうではありましたが。

いずれにしても今の中点1.4Vは(OPA1642をすっぱり諦めれば)採用するメリットがありませんので、中点を2.5V付近(手持ち部品の関係で2.7Vくらい)に変えて見ます。

これで、オペアンプの入力範囲のほぼど真ん中が使えること、また、FETも中点1.4Vにあわせて相当窮屈なバイアス設定にしていたのをまあまあ普通に戻せること・・で少しでも性能があがってくれると良いのですが・・・
蛍 袋夫
2013年06月22日(土) 18時25分
改造してみましたが・・・ノイズフロアは変わりませんでした・・・気持ちよいくらい同じだわ・・・ただ、少し分解能が向上している風です。

ああ、今、わざわざ減衰させてマイク入力で受けているけど、アッテネッターはずしてライン入力にしたらどうなのかな?こりゃ、明日以降試してみましょう。

本日の成果:
電源、MacBookProのUSBから
オーディオ入力 MacBookProのマイク入力(ヘッドセット端子)
室温 25℃くらい

で、ノイズフロアが80~90KeVくらい。BiのX線はぎりぎり・・み
えません・・山の右端くらい見えてるのかもしれませんが、ノイズに埋もれています。しかし、いままでの平均的な試作回路のノイズフロアが200~160KeVくらいだったことを思うと、ま、良い感じとしておきましょう。

ノイズ対策はいったんおいておいて、このあと、バックグラウンドを5時間くらい計測してみようと思います。
前テスト回路で微かに見えていたセシウムの山が識別できるかどうか・・・明瞭なピークという程ではなく、本来右肩下がり部分に少々こぶのようなものがあるような・・といったレベルのものなのですが・・・
蛍 袋夫
2013年06月22日(土) 23時48分
この週末は、計測部初段検討特集の様相を呈して参りました。
中点電圧引き上げ後、FET外付け回路を見直し・・いろいろ石を差し替えてみましたが、今のところの最適解はBF862をブートストラップと初段プリアンプに投入・・かな。小差ですが次点は2SK170, 2SK117(170と117の差は僅差)。さらに小差で2SK192A。

FET自身の雑音が低いこと、そして、FETの入力容量が低いことが重要ということを再認識する結果になりました。容量が小さいことに特化(K192A)、低雑音に特化(K369)は、前者はノイズ特性(及び増幅率の低さ)、後者は入力容量の大きさが結果として足を引っ張ているようです。

BF862と2SK170/117の差は、有意とは思いますが10%位ですね。小さいような大きいような微妙なところです。

2SK117はシンチ計測での採用例は少ないようです。FETのノイズ性能、増幅率では定番(?)の2SK170よりかなり落ちるのですが、入力容量がかなり小さいため、2SK117と2SK170の差は極めて小さいように思います。ただ、117も170も製造中止品なので・・・どちらかをどちらかの代替に、というのも発展性がない話です。手持ちにどちらかがあれば、あまり気にしないで使って大丈夫というくらいですね。

BF862、チップなんですよね~。載せ替えテストでは、急遽、変換基板に乗せて擬似3本足化させてみましたが、面倒。

本日の優勝者は、製造元は昔とは違うみたいですが。生産中止ではなくて、現行品と思われます。それは救いです。
DigiKey等で買えるとはいえ、入手性がいまいちなのはネックではあります。国産小信号FET壊滅間近の今、秋月あたりでBF862、扱わないかしら。

容量の小ささ、ノイズの低さからすると、オーディオアンプの入力段にも使えそうなんですけどね。だれか、これを使ったアンプ記事を書いてくれれば・・・扱ってくれる店舗も出てくるとは思いますが・・・・?!?!静特性、2SK117/170/369に近いですよ~。OFF電圧も低くて使いやすそうですよ~~と密かにPRしてみる。
蛍 袋夫
2013年06月23日(日) 18時22分
入力をラインレベルにしてみましたが、あまり差違はありませんでした。また、実戦を意識して、マイク入力に戻しています。


ごく、わずか、ライン入力の方がシャープに見える気もしますが、ノイズレベル的にはほぼ差はありませんでした@MacBookPro。

想像していた以上にMacBookのマイク入力(というか、イヤホンマイクの入力なんですが・・・)品質高いみたいです。

全然関係ないですが、Appleのコンセプトビデオ風CM、良いですね。コンセプトをPRできる企業ってそんなにないような気がするのですが・・・ジョブス亡き後、どうなるかと心配もしていましたが、アグレッシブなMacProの予告といい、ネコ科から離脱した新MacOSXといい、テイストはジョブス時代と違う!のですが、ベースにあるコンセプト、何のために製品を作るのか・・・というところは引き継がれているのだなあと感じました。暫くはAppleの方向性に心配する必要はなさそうです(コンシューマ側が付いてくるのかという心配はなきにしもあらずですが)。
蛍 袋夫
2013年06月23日(日) 18時27分
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