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センサや回路はそれなりに温度の影響を受けます。
カウント率がずれるというよりも、エネルギーの高さがずれてしまう感じ。だもんで、それを補正する手立てがあればより安定した測定ができるわけです。
現状の、アナログ(マイク入力)インタフェースを前提にすると、この温度補償はアナログ的に実現しないといけません。
接続先をPCに限定できれば、あるいは、Appleとライセンス料(不明)を払い、秘密保持契約を結べるくらいの大企業であれば、対iPhoneでも、デジタル接続が可能・・・その場合は話は簡単で、温度データも放射線センサデータもデジタル化して母機に送って、母機側で補正すれば良いのです。
色々検討した結果、対iPhoneでも合法的に(脱獄もせず、MFi契約もナシで)外部器機をデジタル接続させる方法がないでもないようですが、それは暫く先のお楽しみに取っておこうと思います。APIが一般公開されている類の無線を使うのですが・・・今そこに手を出すと先にすすまなくなりそうなので、これはおいておきましょう。
さて、アナログ的に補償といっても、温度と補正量は単純な比例関係にあるわけでもなさそうなので、純粋にアナログ回路だけで温度補償を組むのは難しいと思います。
そこで、考えたのが温度計測はデジタル、その温度に応じた補正係数をデジタル的に算出。この補正係数を可変増幅率のアンプ(シンセサイザーのVCA的な何か)に入れてあげて、アナログ信号の振幅調整。
これならセンサ出力の信号系はフルアナログで、補正できますね。
で、実証回路を組み立てて(とりあえず、デジタル的にアナログボリュームを制御できるか)試して見ました。
ボリューム操作という面では問題はありません、きちんとレベル調整できました。
ただ、多少ノイズが増えてしまうのですね。
デジタルボリューム操作が悪いのかと思い、ボリューム変更は起動時1回のみでテストをしても、厳しいケースとして毎秒数十回設定させる設定でも、ノイズ増加に大して影響がないところからみると、デジタル回路そのもののノイズがアナログ回路に混入しているようです。
ボリューム設定部分はデジタルとアナログの交点にあたり、ここをなくすわけにはいかないのですが、できるだけアナログとデジタルの分離をしてあげないと、ノイズは減らないかもしれません。
60KeVくらいがみえていたのが、80KeVくらいからしかみえなくなる程度のレベルなので、このままでも温度補正のメリットを考えれば悪くはないレベルともいえますが。
ま、現行回路、かなり汚い実装(ジャンパワイヤ飛びまくり)なので、回路とともに実装方法を考えればある程度改善されるかもしれません。
いずれにせよ、今より悪化することはないだろうことを考えれば、概ね満足できる結果かもしれませんね。
とりあえず、基礎試験はここまでにして、いよいよ基板レイアウトに入りたいと思います。
なんでこの基礎試験を急いでいたかといえば、この部分も別基板で用意しておきたかったからなのですね。
基板作成費用は数種類のものをまとめて起こした方がかなり割安にできるので・・・ね。
こちらの基礎試験とともに、実装予定部品の精査もだいたい終わり、基板デザインに着手できる状態になってきました。
ハード開発はアタシのスキルでは専業でやっていかないと厳しいので、ひとまずのゴールとなる、基板製作までは集中して仕上げたいと思います。
勿論、ソフトも非常に重要なのですが、こちらは兼業でも進めていける感触ですので、とにかく今はハード面の整備に邁進しているところです。
なにはともあれ、基幹となる部分の回路が固まっていること、ユニバーサル基板実装でも十分実用的な性能に仕上がっていることは非常に明るい材料です。 |
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